デジタルマーケティングってよく聞くようになりましたが、どんなものか具体的に知っている人の割合は、まだまだ少ないようです。
Webマーケティングがデジタルマーケティングと思っている人が多いようです。
今回は、デジタルマーケティングとその活用方法について解説します。
MARKETIMESの「国内企業のデジタルマーケティングに関する実態調査」を基に理解度・必要度・成果・取組み・課題を紹介します。
デジタルマーケティングの理解度調査については、理解している8.1、ある程度理解している14.1%と理解度については22.2%と低い水準でした。
デジタルマーケティングの必要度調査については、必要だと思う11%、ある程度必要だと覆う27%と38%は必要性を感じています。
取組んでいるデジタルマーケティングは以下の通りです。
Webサイト構築・リニューアル 42%
SNSマーケティング 29%
Web広告 28%
SEO ・コンテンツマーケティング 27%
アプリ活用 10%
動画マーケティング 8%
MAツール 4%
オンライン展示会 4%
CRM・SFA 4%
上記の結果から判断するとWebサイト構築・リニューアルがずば抜けて多いことが解ります。
デジタルマーケティングの成果については、成果が出ている27%、ある程度成果が出ている54%と81%が成果が出ていると感じています。
一方、デジタルマーケティングを取組む前の課題としては
デジタルマーケティングに精通した従業員がいない 35%
何から始めてよいのかわからない 23%
具体的な効果が見えない 22%
デジタルマーケティングの専門部署がない 16%
経営者・役員の理解度が低い 12%
経営者・役員の意識・意欲が低い 8%
一番の課題は、デジタルマーケティングに精通した従業員がいないことです。次に、なにから初めてよいのかわからないことです。
インターネットやEメール、SNS、デジタル広告のほかにも、アプリ、デジタルサイネージ、MA、CRM、IT技術、AI技術の利用など、あらゆるデジタルメディアを活用したマーケティング活動全般のことです。
デジタルマーケティングを実施する上で注意することは、一つのチャネルで取組むのではなく、複数のチャネルを連動させて取組むことです。
例えば、Webサイトのアクセスを増やすために、コンテンツSEOに取組んだとしたら、作成したコンテンツの内容をメルマガに使う、動画にしてアップする、SNSに投稿するといったように含酢のチャネルを使って行います。
大切なことは、データを収集・分析・蓄積してマーケティング活動をすることです。
収集・分析にはMAツールなどのデジタルツールがないと取り組むことはできません。
デジタルマーケティングの目的は、あらゆるデジタル施策をもって営業やマーケティング業務を最適化し、売上・利益の最大化を目指すことです。
デジタルマーケティングに取組むと、売上・利益が最大化するだけではなく、従業員の勤務時間の短縮や長期休暇が取れるようになります。
また、経営者の頭を痛めるトップセールスが退職したときに売上が下がる問題もなくなります。
デジタルマーケティングとは、マーケティング全般の中の一部です。Webマーケティングも同様で、デジタルマーケティングに含まれます。
デジタルマーケティングが必要な理由は、ユーザーのデジタルツールの普及率が大きく影響しています。
スマホの普及率は2010年は4%だったのが2022年では96.3%と急激に普及しました。
インターネットの利用率も13~69歳までは90%を超え、70歳台で75%、80歳台で57%と普及率は今後も上がり続けていきます。
このような背景があるので、情報収集はインターネットを通じて、スマホなどのデバイスを使って簡単にできるようになりました。
その結果、BtoBビジネスにおいて、営業担当者に会う前に、「ここの企業に頼もう」と決めている人の割合は57%になっています。
マーケ@IT デジタルマーケティングに関するアンケートによると、とても重要50.3%、どちらかといえば重要45%と95%がデジタルマーケティングの必要性を感じています。
必要性を感じる理由は以下の通りです・
・リアルタイムの情報展開
・色々なサービスの融合が図れる
・企業イメージの確立
・情報やサービスなどの発信における重要性
・幅広いマーケティングを行える
・購入者のニーズの掌握
・情報収集やマーケティングにおける重要性
・顧客獲得のための重要な戦略
デジタルマーケティングを導入しているが、取り組みが遅れている理由は以下の通りです。
・マーケ部門と営業部門の連携が取れていない 52%
・データ分析ができる人材不足 47.1%
・十分な予算が取れていない 37.3%
・投資効果が明確化できない 34.3%
・上層部がデータ活用の有効性を理解していない 27.5%
・関係部署が取組みを理解していない 23.5%
遅れている理由は「マーケティング部門と営業部門の情報共有・連携」と回答する人が最も多く、次いで「データ分析が可能な人員が不足しているから」でした。
デジタルマーケティングの手法は様々ありますが、主な手法としては以下の通りです。
・Webサイト運用
・デジタル広告
・メールマーケティング
・動画マーケティング
・SNSマーケティング
・マーケティングオートメーション(MA)
Webサイト運用はデジタルマーケティンの基礎になります。
まずは、SEOに取組んでWebサイトのアクセスを上げることです。そのためにはコンテンツSEOが必要です。
ユーザーのWebサイトへのアクセスが増えると、分析が必要になります。そのためには、グーグルが無料で提供しているGA4(グーグル アナリティクス 4)とサーチコンソールの分析ツールが必要になります。
次に、することは訪問してくれたユーザーが足跡を残してくれる仕組みが必要です。訪問しただけで終わってしまえば、興味があってもこちらからアプローチすることができなくなります。
足跡を残してもらう仕組みは、メルマガ登録、ホワイトペーパーダウンロード、資料請求、お問合せができるフォームを用意しておくことです。
デジタル広告は、インターネット上に出す広告のことです。
広告の種類は
①検索キーワードで広告を表示するリスティング広告
②過去のサイト訪問履歴を活用するリターゲティング広告
③潜在顧客にリーチするディスプレイ広告
④Webメディアで特集記事を組むタイアップ広告
⑤SNS広告
があります。
①は顕在顧客層向け広告。②はECサイトに向いている広告。③⑤は潜在顧客に向けての広告です。④は顕在層・潜在層両方に有効です。
メルマガは、リードに対して同じ情報を提供しますが、メールマーケティングは、リードの興味度によってセグメントして、有益な情報を配信し、より興味度を引き上げていくやり方です。
MAツールを導入したときは、リードをセグメントする必要があります。
動画マーケティングは、動画を通じて製品やサービスを宣伝し、販促活動を行うことが目的です。
動画は、短時間で多くの情報を届けられるのが特徴です。作成したコンテンツを動画にして配信することもできます。
その他、製品の使い方など簡単な有効な動画も効果があります。
SNSマーケティングは、認知拡大やファン化、ブランドイメージの向上が目的です。SNSで検索する人が増えているので、こちらも上位表示させるための施策は必要になります。
Maを導入することで、リードデータを一元管理することができマーケティング活動を効率化することができます。
リードの行動から、自社への関心度をスコアリングし、スコアに応じてリードをセグメントすることで、個別最適なマーケティング施策を実行することができます。
しかし、MAツールを導入したからといって上手くいくとは限りません。トライアンドエラーを繰り返しながらPDCAを回し、上手くいくノウハウを構築する必要があります。
ノウハウを構築するまでに時間がかかるので、他社よりも一歩抜き出るには、早い時期に取組む方がよいでしょう。
MAツールを導入し、上手くいくノウハウが構築できれば以下のことが解決できます。
・新規開拓が上手くいかない
・成約数が低い
・トップ営業が辞めると売上は下がる
・組織的な営業ができていない
新規開拓は、営業担当者任せになっている企業が大半です。営業担当者は、既存客をフォローしながら新規開拓もしなければならないとなると時間が足りません。
既存客フォローだけでも時間が足らないケースもある上に、新規開拓となると時間はいくらあっても足りません。なぜなら、信頼関係を構築するまでに足しげく訪問しなければいけないからです。
だから、企業によっては新規開拓部門を設けています。
しかし、MAツールを導入すると、信頼関係を構築する上で、一番手間のかかる部分をツール活用することでできるようになるからです。
信頼関係ができたリードを営業担当者に引き渡せば、成約率も上がります。
成約数が低いというよりは、獲得するリード数が少ないので成約数も少なくなります。
営業担当者任せの新規開拓であれば、新規の成約数が低くなるのも仕方のないことです。出会いから見積や提案書を出すまでの工程は、半年や一年はかかる途方もなく長いものです。
既存客を持ちながら、何件もリードを追いかけることは、簡単にできることではありません。
デジタルマーケティングでリードを獲得し、MAツールを使って育成していくと、リード獲得数が増えると同時に、成約数も増えていきます。
トップセールスが退職すると売上が落ちてしまします。
なぜなら、トップセールスマンは新規開拓もフォローも自分で行うため、顧客とのつながりが非常に強いものとなっています。
だから、トップセールスマンが辞めるときに、顧客がついていったり、他社に乗り換えたりすることが多くなるからです。
経営者にとっては頭の痛い問題です。
しかし、MAツールを導入すると営業担当者は成約することと既存客をフォローすることが主な仕事になるので、顧客は営業担当者に頼るのではなく、企業に頼るようになるので、この問題はなくなります。
日本企業の営業体制は、営業担当者任せになっています。
多くのリードを獲得し、商談数を増やして成約数を増やすには組織的に活動するのが望ましいといえます。
リードを獲得するのはマーケティング部門、獲得したリードの興味度を上げて、営業に引き渡すインサイドセールスは、企画や顧客連携部門、商談して成約するのは営業部門というように組織化することです。
MAツールを機能させるためには、営業体制を見直す必要があります。
デジタルマーケティングに取組んでノウハウを蓄積すれば、リード獲得数が増え、商談数が増えると新規の成約数は必然的に増えていきます。
しかし、マーケティングをデジタル化するには、現状の営業体制のままでは難しいものがあります。
MAツールを導入し、マーケティング部、企画部、営業部と営業を分業化し、それぞれの部門でPDCAを回しながらノウハウを確立し、情報も共有するという仕組み化が必要になります。
ノウハウを確立するまで時間がかかるので、できるだけ早い時期にデジタルマーケティングに取組むことをお勧めします。