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社内報は社内の出来事を従業員全員に周知させるだけでなく、理念やビジョンの浸透、愛社精神を育てる、企業文化を作る、離職率の低下、モチベーションの向上などに役立ちます。
社内報をどのようにつくればいいのか、その役割などについて説明していきます。
社内報とは、従業員やその家族に向けて会社の理念や方針、従業員の紹介、仕事の取組みなどを紹介することで、社内コミュニケーションを促進させるためのオウンドメディアです。
経費の削減で社内報をつくる企業が減少していましたが、社内報がないことにより転職者が増え、社歴の浅い人が増えたことで、企業の理念やビジョンの浸透、モチベーションの向上を狙って、再び社内報に取組む企業も増えてきました。
形としては様々で、紙媒体だけではなく、Web上にアップするなどして、多くの社員に関心を持ってもらう取り組みをしています。
社内報を導入すると様々なメリットがあります。リーマンショック以降、経費節減で社内報を廃止ししていた企業も社内報を復活させているところが増えています。
・理念やビジョンの浸透
・愛社精神をつくる
・企業文化を育てる
・従業員間の関係性の構築
・従業員のモチベーション向上
・従業員家族の企業への理解
・離職率低下
主なメリットとしては、上記7つといったところです。
社内報で理念やビジョンを語ることで、徐々に従業員に浸透していきます。そうすれば、従業員は理念に基づいた考え方をするようになります。
それが、社内に良い影響を及ぼし、顧客満足につながります。
従業員が会社を好きになれば、「会社のために、みんなのために」と頑張ってくれるようになります。
それには、社内報で会社の良さや製品・サービスが社会で役立っていることを情報提供することです。
企業の成り立ちや考え方を発信していくことで、従業員は自然とそれに基づく行動をとるようになります。
そうなると従業員が自発的に仕事に取組み、強い組織に変わっていきます。
H3従業員間の関係性の構築
人は、その人のプライベートな一面を知ることで親近感を感じます。
社内報で従業員紹介のコーナーを設けることにより従業員間の距離が縮まり、関係性が出来上がっていきます。
会社の取組みを理解することで、従業員のモチベーションは向上します。
多くの場合、特に工場の場合は、自分がしている仕事は全体の一部分であるため、全体を通してどうなってるのか、お客様にどう思われているのか、社会にどのように役に立っているのかが分かりにくいものです。
これらのことを社内報に掲載して伝えていくことでモチベーションは向上していきます。
従業員がどのような働き方をしているのか、その家族はほとんど知りません。
職場ごとの紹介や商品やサービスが社会に役立っていることを掲載することで、家族の仕事への理解が深まり、応援してくれるようになります。
社内報によって情報が共有されることで、コミュニケーションも円滑になり従業員間の結びつきも強くなります。
その結果、従業員が辞めにくい企業になっていきます。
社内報を作る上でのデメリットもあります。
・コストがかかる
・時間がかかる
社内報を作成するのをすべて内製化できれば、コストはほとんどかからなくなります。しかし、多くの企業は、社内報の作成は外部に委託しています。
インタビュー、原稿作成、デザイン、印刷と社内で作成するのは、担当者の労力がかかり過ぎます。
インタビューのスケジュールの調整だけでも大変です。
まして、それ以外もとなると、専属チームで取り掛からないと難しいものがあります。この人件費を考えると、外部に委託する方がコストカットにはなりますが、社内報を作成するということにおいてはコストがかかります。
作り上げるまでに時間がかかります。
打合せをする時間、企画を立てる時間、スケジュールを調整する時間、インタビューをする時間など、とにかく時間がかかります。
ルーチン的につくった社内報では、従業員に伝わりません。毎回、趣向を凝らした内容で従業員が読んで為になる、面白い内容に仕上げるためには、時間がかかるのです。
社内報を作る前にしなければいけないのがコンセプトを決めることです。
コンセプトとは、社内報の目的・意義のことです。
例えば、「社内の情報を共有して、社会にどのように役立っているのかを知らせ、従業員のモチベーションを上げること」をコンセプトとして決めたとしたら、このコンセプトに即した企画を考えるようにしていくことが大切です。
コンセプトに基づいた企画を決めます。
上記の例でいうと、共有する社内情報、お客様のインタビュー、社会的話題に取り上げられたこと、職場の紹介、業績報告、従業員インタビュー、社内の催しなどが考えられます。
大きな枠だけではなく、その細部についても企画を立てるようにしましょう。
企画を立てるときは、一人でするのではなく、複数人で考えるようにするといろんなアイデアが出てきて、良い内容になります。
スケジュールを立てるのはかなり手間がかかります。
インタビューする従業員の候補を決めて了解を得る。了解を得たら予定を時間単位でスケジューリングする。
インタビューを外部に委託する場合は、数日もかけると費用がかさみます。一日でインタビューを終わらせる予定を組むのは至難の業です。
インタビューのスケジューリングができれば、後は机上の仕事になるのでスケジュールは組みやすくなります。
企画段階で掲載するべきものが決まっているので、あとは紙面のサイズ、大きさ、ページ数を決めます。
これに合わせて、おおよその原稿量が決まります。
取材は一人でするのではなく2人で行います。一人が聞き役、一人が撮影役です。
聞き取る人はあらかじめどのようなことを聞くのか、決めておきましょう。また、インタビュー内容は必ず録音しておくよいにしてください。
撮影者は、インタビュー中に何枚もの写真を撮るのですが、できるだけ自然体を撮影するよう心掛けてください。
原稿は、インタビューから文字を起こすものと、資料などを調べてつくるものの2種類があります。
普段から文章を書いていない人が原稿をつくるのは時間がかかり過ぎる傾向にあります。できれば書き慣れている人が原稿作成する方がスムーズに出来上がります。
原稿・写真が揃えばあとはデザインをするだけです。全体のイメージもコンセプトを作ったときに決まっているはずですから、スムーズにデザインができると思います。
出来上がったデザインは、それぞれがチェックすればよいだけですが、インタビューした人に必ずチェックしてもらうことです。
社内報は、内部制作するのか、外部に委託するのか、どちらがお得か考えてみましょう。また、社内ですることと外部に任せることについても考えてみてください。
私のお勧めは、社内にデザイナーがいる場合は、社内で作成した方がよいです。デザイナーがいれば、さほど業務に影響はないと思われます。そうでない場合は、外部に委託した方がよいと言えます。
なぜなら、社内報を作成する事に慣れていない人の場合、何をするにも時間がかっるからです。かかった時間を時間を従業員の時給に換算すれば、多くの場合は外部に委託した方が安くなるケースがほとんどです。
しかし、外部に委託する場合でも、社内でするべきことがあります。
それは、コンセプトを決めることと企画を立てることです。どう進めていいのかわからない場合は、委託先の担当者も交えて話し合うことよいでしょう。
彼らはこのようなことを決めるのに慣れていますから、上手く話し合いを進めてくれます。
デザイン構成、インタビュー、撮影、原稿作成、デザインは委託先が責任をもって上げてくれます。
社内報は、従業員をまとめて生産性を上げるために必要なツールです。
しかし、社内でつくるとなるとその労力はかなりのものになります。
外部を上手く使って、従業員の負担を軽くして作成する方が、かえってコストがかからなくて済みます。
コストよりも従業員をまとめるために役立つように社内報の構成をどうするかに時間を割いて考える方が、はるかに生産性を上げることにつながります。