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営業の生産性向上のためにはMAツールは必須です。
日本企業の営業は、営業担当者が出会いから契約までを一人でやり通す属人化された営業です。欧米諸国の営業は、MAツールなどの営業支援ツールを活用した分業化された営業です。
そして、営業の生産性は、日本1に対してアメリカは5以上、つまり、5倍以上の差があります。
その結果、この30年、日本は物価も賃金も上がっていないのに対し、アメリカでは物価も上がり賃金も上昇しています。
今回は、営業の生産性を上げる方法について解説します。
新規顧客獲得における一連のマーケティング施策を、管理・自動化・効率化するツールです。
そして、見込み顧客自身の固有情報や各種情報の一元管理、育成を行い、さらにはホットリード(購買意欲の高い見込み客)の絞り込みまでの活動を自動的(効率的)に行うことで、生産性を向上させる役割を果たします。
また、新規顧客を開拓するために、リード(見込み客)が持っている興味や関心、その行動に対して「最適な情報」を「最適なタイミング」「最適な方法」で提供することができます。
MAツールについてしているかどうかを聞いてみると、導入しているが7%、知っているが40%と47%がMAツールを知っていました。(53%はMAツールを知らない)
知っている人40%に導入しない理由を聞いたところ、検討したことがないが31%、導入費用が高いが21%、月額費用が高いが17%、リソースがない・使いこなせそうにないが20%という結果でした。
MAツール導入企業に効果を聞いてみると、非常にある11%、一定の効果はある46%と約6割が効果を実感しています。
導入率については、2021年1月現在で、国内企業では1.2%、上場企業だけを見ると11.3%と低い水準であることが解ります。
アメリカのMA導入率は74%、11人以上の企業では91%が導入していて、国内企業と比較すれば断然の差があります。
MAツールの役割は、顧客を育成することです。
リード客の興味関心に合わせてメールを送り、今以上に今日に関心を段階的に引き上げ、商談に導く流れをつくることができます。
メール開封や本文中のリンクのクリックなどの駆動を点数制にして、一定点数に達すると次の段階に引上げ、興味関心度に合わせたメールを送ります。
リードの興味関心度を3~4段階に分け、それぞれの脅威関心度アに合わせたメールを作成し、定期的に配信します。
メール開封率やメール内リンクのクリック率、離脱率などが解ります。この分析データを基にアプローチ方法を変えることができます。
MAを導入するメリットは様々ありますが、ここでは3つのメリットについて解説したいと思います。
・営業活動を効率化することができる
・リード客の取りこぼしを防止できる
・属人化しない営業体制を構築できる
従来の営業方法は、一人の営業担当者が、お客様から見込み客を紹介してもらう、交流会に参加して名刺交換をする、リストを作成して電話やメールをするという出会いから信頼関係を構築するために、資料を作成したり、情報を提供したりします。
信頼関係ができれば、提案書や見積の提出に繋がり、上手くいけば契約となるのです。
しかし、これら一連の流れを一人の営業担当者が既存客のフォローもしながら行うわけですから、新規開拓が進まないのは自然な流れだと思います。
これからの営業は、一人の担当者が行っていることを分業化するようになります。
リード客を開発する「マーケティング部門」、リード客を育成する「企画部門」、ランクアップしたリードのフォローをしたり、営業の資料作りなどのサポートをする「顧客連携部門」、ホットリードとの商談や既存客フォローをする「営業部門」と営業部門をチームに分けて営業活動をすれば、新規獲得も効率的に進めることができます。
それだけではありません。
MAを使うことで、商談の可能性が高い顧客五絞ったアプローチができるようになる。見込み度合いの応じた顧客への営業活動ができるようになる。潜在顧客の発掘に時間がさけるようになる。闇雲な営業活動の必要性がなくなり、営業を効率的にできるようになります。
名刺交換した人、問合せがあった人、メルマガ登録した人などは、重要度が低いと認識しているため、きちんとしたフォローができていません。
また、営業担当者が名刺交換をした人も営業の判断で、眠ったままになっています。
これらは、非常にもったいないことです。もしかしたら、金の卵が存在しているかもしれません。
MAツールがあれば、上記のようなリードもツールに入れ込むだけでフォローができるだけでなく、リードの行動も可視化できるので取りこぼしがなくなります。
リード獲得は、デジタルマーケティングを活用して行い、集めたリードはMAツールで育成していくとなると、営業の力の差はなくなっていきます。
商品知識と商品が導入された事例を知っていれば、商談はスムーズに運びます。極端に言えば、入社3ヶ月の営業でも成約できるくらい営業教育に時間がかからなくなります。
また、顧客情報が一元化されるので管理職の方も顧客それぞれの状態を把握することができ、適切な指示を出すことができるようになります。
MAツールを導入する際にデメリットもあります。
・コストがかかる
・人的リソースの不足
・効果が出るまで時間がかかる
の3つです。
MAツールを導入するには、初期費用、月額利用料の他に、運用コンサル費用やツール活用に必要なメール作成費、ランディングページ(LP)制作費、コンテンツ制作費がかかる場合もあります。
MAツールを導入したからといってすぐに使えるわけではなく、どのように使っていくのかという部分にも費用がかかります。
Webサイトに誘導するためのコンテンツSEOであったり、リード獲得のためのセミナーの開催をするのであればLPや広告が必要になってきます。
MAツールを活用する場合、Webマーケティング全般に詳しい人員が必要です。しかし、中小企業でそのような人材を抱えている企業はごく少数です。
ですから、当初は外部から運用コンサルを招き、人員を育成することです。
そうすれば、メールのシナリオ設計、コンテンツの作成、施策改善やリードへのアプローチ戦略が組めるようになるので、社内の人員で運用できるようになります。
MAツールを導入したからといってすぐに効果が出るわけではありません。
運用開始までの準備として、リードのランク分け、シナリオ設定、操作、効果分析、スコアリングの設定などがあります。
準備ができれば、スタートするのですがメールを配信してある程度の結果が出るまで(通常3ヶ月)は特にすることはありません。
結果の分析が始まってからが本格的な運用のスタートになるので、効果が出るまで1年程度はかかります。
MAツールの認知度は、国内においてまだまだ低く、導入企業もごくわずかです。
しかし、導入している企業の半数以上はその効果を認めています。残念ながら効果を認めていない企業は、独自の使い方をされていて、本来のMAツールの良さを引き出せていないと思われます。
MAツールを使いこなすことができれば、営業の生産性は上がります。少子高齢化、営業が不人気職第一位という背景で営業の確保が難しくなる時代はそこまで来ています。少数精鋭で生産性を上げにはMAツールが必要です。
しかし、MAツールは導入したからといってすぐに効果が出るものではありません。運用してノウハウが蓄積されて少しずつ効果が上がっていきます。
早い段階でMAツールを導入することをお勧めします。
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