営業の生産性を上げるにはDXの活用なくして難しくなっています。
営業にDXを取り入れている日本の企業は少なく、アメリカとの営業の生産性の差は、何と7倍。
日本企業は、旧泰然とした営業のスタイルを踏襲していることが多く、労働人口が減少している昨今においては営業成績の伸び率が低くなっています。
今後は、アメリカと同様に営業にもDXを取り入れて生産性を向上させる時代になったと言えるでしょう。
日本では2020年ころから関心が高まっています。
経済産業省が定義するDXは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」です。
経済産業省がDXを推進する理由は、「企業として生き残るため」です。DXが進まなければ、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると発表しています。
日本企業がこれから抱える問題は以下の通りです。
・少子高齢化
・労働人口の低下
・労働時間の縮小
これらの問題が解決できない場合は、生産性が向上せず、「業務が回らない」「会社が成長しない」ということになります。
セールスの生産性を上げるとは、見込み客を獲得して、成約客に育てるまでをいいます。
そのために必要なのが
Webサイト
顧客管理ツール
案件管理ツール
SNS
ウェビナー
SEO
コンテンツ制作
メール
これらのツールを駆使して見込み客獲得の効率化を図ります。
獲得した見込み客に対して効率的に成約するためのことをいいます。
そのために必要なのが
スケジュール管理
電子契約
セキュリティー
テレワーク
AI
バックヤードも整えておくと、さらに生産性が上がります。
営業生産性を上げるDXに取組むメリットは
・人の問題
・購入理由の変化
・競合の変化
の3つになります。
終身雇用の時代はあるか昔。転職や副業が当たり前になりつつあります。
企業として困るのが、優秀な人材が抜けた穴が簡単に埋まらないことです。特に、優秀な営業マンが抜けると残った営業マンではカバーができないだけでなく、クライアントもなくなる可能性があります。
それだけではありません。
生産年齢人口が減少し、人材の確保が難しくなります。現在の若者にとって不人気職である営業職の人材確保は相当難しいものになります。
(出典)内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」
このようなことを防ぐことができるのが営業生産性を上げるDXです。
営業生産性を上げるDXを取り入れることで生産性と再現性を高めることができます。また、営業マンに任せるのではなくチームとしての組織を創ることができます。
・マーケティング部門
・インサイドセールス部門
・フィールド成約部門
・顧客サポート部門
このように組織を分類することで、優秀な人材が抜けても簡単に穴埋めをすることができるようになります。
マーケティング部門で取組むことは、見込み客を獲得するネット上の施策に取組みます。
コンテンツSEOでWebサイトを上位表示させる、各種広告の就航と対策、SNSの運用などユーザーをWebサイトに誘導するだけでなく、Webサイトに誘導したときに名前やメールアドレスなどの足跡を残してもらうための資料やホワイトペーパーの制作などをする部門です。
見込み客を獲得してからホットな見込み客に育てる施策に取組みます。
見込み客を育成するだけでなく、電話やメールを使って継続的なアプローチを取り、関係性を構築していく部門です。
インサイドセールス部門が育てた熱い見込み客から受注を取る部門です。
商談も有効数が多くなりるだけでなく、成約率も高まり、商談工数も短くなります。
普段から営業研修などでセールストークに磨きをかける訓練が必要です。
取り掛かっている仕事やクレーム処理など、クライアントの要望に応えるための部門です。
営業マンに見込み客獲得から成約までを一気通貫でさせるのではなく分業にすることで、優秀な人材が辞めたとしてもチームでカバーできる仕組みをつくることができます。
情報が氾濫している昨今、情報入手の方法も人それぞれです。
以前は、TVCMや新聞・雑誌から情報を入手することが多かったのですが、昨今ではネットやスマートフォンの普及により、企業のWebサイトから情報を入手する人の割合が66.7%と急増しています。
ということはWebサイトを充実させておく必要があるということです。
顧客の購買理由も変化しています。顧客が求めているのは体験です。
体験とは顧客が使ってみた時の経験です。ソフトであれば、「お試し版」がこれにあたります。
使ってみた時の操作性など購入前に知りたいと思うのは当然です。この欲求を満たすことで購買意欲が高まります。
実際に、体験させることは、企業の商品やサービスと同じくらい重要と持っている人は80%もいます。
自社の商品やサービスで顧客が体験できるも尾は何かを考えてみることが大切です。
競合も変化しています。
技術を用いて異業種からの参入や海外からの参入も増えてきています。
音楽業界を例に取れば、レンタルのCDやビデオが全盛期だったものが、今や技術の向上により音楽や動画は配信サービスが当たり前になりました。
自動車業界でも購入の時代からカーシェアの時代になりつつあります。
営業の生産性を上げるにはDXは欠かせません。
そのためには、まず、自社の資源をデータ化することです。資源とは名刺です。営業マンが名刺交換した名刺を個人で持っているのではなく、データ化しておく。
展示会やWebサイトからのユーザーもデータ化しておくことです。データ化しておくことで顧客育成ができるようになります。
MAツールとは、マーケティングオートメーションツールのことです。つまり、マーケティングを自動化するツールです。
MAツールを活用することで、潜在顧客を見込み客に引上げ、さらに、ホットリード(熱い見込み客)に引上げることができます。
そこから先は、商談になるので営業マンに引き継ぐことになりますが、営業マンは関心度が高まっている見込み客との商談になるので成約率も高まります。
先ほども触れましたが、MAを有効に活用するに社内で集めた名刺をデジタル化するだけではなく、常に新しい見込み客の獲得がないと成約数は増えません。
そこで必要なのがデジタルを使った見込み客の集客です。
具体的には
・Webサイト(広告・SEO対策)
・SNS
・メールマガジン
・ウェビナー
を使っての集客活動が欠かせません。
Webサイトは、デジタルでの集客の要です。
ですから、検索時に上位表示させることが重要です。そのための施策としては
・広告を打つ
・コンテンツを作成する
の2つの方法しかありません。
広告とコンテンツの詳細は、以下をご覧ください。
コンテンツの作り方は
「Webサイトから見込み客を獲得するコンテンツの作り方」を参考にしてください。
広告については
次に、訪問してくれたユーザーにアプローチできるように、メールアドレスや名前、連絡先などを登録してもらえる仕掛けが必要です。
・メールマガジン登録
・ホワイトペーパーダウンロード
・資料請求
メールマガジン登録は、足跡を残してもらえる一番ハードルが低い仕掛けです。名前も不要となれば登録する方も気軽に登録ができます。
ホワイトペーパーとは、訪問者が興味を持ってくれるレポートです。
一つだけを用意するのではなく、訪問者が興味を持ってくれそうなことを複数用意して、ダウンロードしてもらうようにします。
興味のあるものであれば、名前とメールアドレスだけなら登録してくれる可能性が高まります。
資料請求の場合は、訪問者の興味を引くものでなければ登録はしてくれません。興味を持ってくれるのは、事例です。
その商品を導入してどのように変わったのかの事例は興味を持つ人が多いです。
また、資料請求の場合は、送付するという建前なら名前、会社名、住所、連絡先、メールアドレスを取得することができます。
SNSは情報を拡散するためのツールです。
自社の出来事、コンテンツ、ウェビナーなど情報を拡散して、WebサイトやLPに誘導するために活用します。
拡散するためには、普段から仕事に関する情報以外の情報も流すことが大切です。
メールマガジンは、自社が保有する顧客データに向けて情報を発信します。セミナーの参加のお誘い、他のイベントなどへのお誘いに活用することもできます。
ウェビナーを開催することで、多くの見込み客を獲得することができます。
開催当初は、集客数も少ないでしょうが、回を重ねるごとに集客できるようになってきます。
ウェビナー申し込みは、資料請求と同じ情報を取得できるだけでなく、進め方によっては、アンケートも取得することができるので、顧客管理の振り分けも容易になります。
営業の生産性を上げるにはDXの取り組みなしではできないといっても過言ではありません。
営業はDXが当たり前になっているアメリカとDXが浸透していない日本の営業の生産性の差は7倍です。
今後日本は、少子高齢化が進み労働人口が減少し、雇用がしにくくなるようになっていきます。
それだけではありません。
営業職が不人気になってきているので、営業マンを確保することがますます困難になります。
ということは、少数精鋭で成約を上げる必要があります。そのために必要なのがマーケティングDXです。